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東京の小学校火災で注目された救助袋
日頃より弊社ブログをご覧いただき、誠にありがとうございます
点検・訓練・古い救助袋の交換は大丈夫ですか?弊社が点検させて頂いております小学校、中学校、高等学校、大学の教頭先生、校務主任先生より救助袋の使い方がわからない、訓練はどうやってやったらいいのなどの問い合わせが頻繁にきております。
東京・北区の小学校で発生した火災をきっかけに、避難器具である「救助袋」に注目が集まっているからかと思います。
報道によると、火災が発生した小学校では救助袋が設置されていたものの、現場では使用しようとしてもうまくいかず、別の避難方法を取ったとされています。また、東京23区の公立小学校に対する調査では、救助袋を使った避難訓練を義務付けている区はなく、積極的な実施を推奨している区も確認されなかったと報じられています。
このニュースで考えるべきことは、単に「救助袋が設置されていたかどうか」ではありません。
本当に大切なのは、その救助袋が、いざという時に使える状態だったのか。職員や従業員が、使い方を理解していたのか。古い救助袋を、点検結果だけで安心して放置していなかったか。という点です。
救助袋は「設置してある」だけでは命を守れません
救助袋とは、建物の高い階から地上へ避難するための避難器具です。火災により階段や廊下が煙で使えなくなった場合、窓やバルコニーなどから避難するための物です。
しかし、救助袋は消火器のように、誰でもすぐに使える設備ではありません。
格納箱を開ける。
袋を正しく展張する。
地上側でロープを固定する。(斜降式)
たるみやねじれを確認する。
避難者を安全に誘導する。
この一連の流れを理解していなければ、火災時の混乱の中で正しく使用することは困難です。
つまり、救助袋は「あるから安心」ではなく、
使える状態で維持され、使い方を知っている人がいて、訓練で確認されていることが重要です。

古い救助袋、特に昭和時代の製品には注意が必要です
救助袋で特に注意が必要なのが、昭和時代から設置されている古い製品です。
消防庁は、昭和56年消防庁告示第8号により、救助袋の構造・材質・強度に関する技術基準が策定される以前から設置されている救助袋を「告示前救助袋」として注意喚起しています。告示前救助袋については、点検基準に適合する旨の報告があったものに限り継続設置できる一方、不備が確認された場合は継続設置できないとされています。
また、消防庁通知の参考資料では、告示基準施行前の救助袋用生地63体を対象に引張強さ試験を行った結果、44体、つまり69.8%が不合格だったことが示されています。
これは非常に重要です。
救助袋は、人が実際に中を通って避難する設備です。
本体布の強度が不足していれば、使用中の破損や重大事故につながるおそれがあります。
古い救助袋は、見た目だけでは劣化が分かりにくい場合もあります。全国避難設備工業会も、告示基準前救助袋は素材や耐久性にばらつきがあり、外観上の異常がなくても経年劣化により必要な強度を満たしていない可能性があると説明しています。
そのため、昭和時代に設置された救助袋、認定マークが確認できない救助袋、設置から長期間経過している救助袋については、点検だけでなく交換を前提に確認することが大切です。


救助袋に使用期限や耐用年数はあるのか?
救助袋について、「法律上、何年経過したら必ず交換」と一律に決められた使用期限があるわけではありません。しかし、使用期限が明確に決まっていないからといって、古い救助袋をそのまま使い続けてよいという意味ではありません。救助袋は、布、ロープ、金具、格納箱、固定部などで構成されています。長年の湿気、雨水、紫外線、サビ、収納状態の悪化により、少しずつ劣化します。
特に確認すべきポイントは次の通りです。
・製造年、設置年が古くないか
・昭和時代の製品ではないか
・認定マークや型式が確認できるか
・本体布に変色、硬化、破れ、カビ、異臭がないか
・格納箱にサビや腐食、雨水の侵入がないか
・ロープや固定金具に劣化、ゆるみ、変形がないか
・点検で不備が出たまま放置されていないか
・職員や従業員が使用方法を理解しているか
・訓練で一度でも開いたことがあるか
一つでも不安がある場合は、専門業者による確認をおすすめします。

学校だけの問題ではありません
今回注目されたのは小学校の火災ですが、救助袋の問題は学校だけに限りません。
工場、病院、福祉施設、共同住宅、事務所、倉庫などでも同じです。
消防点検を実施している。
避難器具も設置されている。
防火管理者も選任している。
避難訓練も行っている。
それでも、
「救助袋を実際に使える人がいるか」
「古い救助袋の交換判断ができているか」
「不備が出た設備を放置していないか」
まで確認できていなければ、十分とはいえません。
火災時には、想定通りに避難できるとは限りません。
階段が煙で使えない。
廊下に火や煙が広がる。
屋外階段まで行けない。
避難経路が一部使えなくなる。
そのような時、救助袋は命を守る最後の避難手段になる可能性があります。
だからこそ、普段から「本当に使えるか」を確認しておく必要があります。
今すぐ確認してほしいこと
施設管理者、防火管理者、学校・工場・事業所の安全担当者の方は、まず次の5点を確認してください。
- 救助袋の設置場所を現場の人が知っているか
- 救助袋の使用方法を説明できる人がいるか
- 点検で不備が出たままになっていないか
- 昭和時代の古い救助袋、認定マークがない救助袋ではないか
- 避難訓練の中で、救助袋の確認や使用説明を行っているか
救助袋は、普段は目立たない設備です。
しかし、火災時には命を守るための重要な設備です。
設置してあるだけで安心するのではなく、
点検されているか。
劣化していないか。
古すぎないか。
使い方を知っているか。
訓練で確認しているか。
ここまで確認して、はじめて「使える避難器具」といえます。
学校における防火防災に係る安全点検等の実施等について(通知)(8教参学第9号)【文部科学省HPより】
今般の学校における火災の発生を受けて、あらためて全国の学校に対して防火防災に係る安全点検等や、避難訓練の実施等をお願いするものです。
8教参学第9号
令和8年6月26日
各都道府県・指定都市教育委員会学校安全主管部課長
各都道府県・指定都市教育委員会施設主管部課長
各都道府県私立学校所管部課長
各都道府県私立学校施設担当部課長
各文部科学大臣所轄学校法人担当部課長
構造改革特別区域法第12条第1項の認定を受けた
各地方公共団体の学校設置会社担当部課長
附属学校を置く各国立大学法人担当部課長
文部科学省総合教育政策局男女共同参画共生社会学習・安全課長
文部科学省大臣官房文教施設企画・防災部施設企画課長
学校における防火防災に係る安全点検等の実施等について(通知)
日頃より学校の教育活動等における事故防止に御尽力いただき御礼申し上げます。
令和8年6月19日に東京都北区の小学校において校舎から出火し、複数の児童及び教職員が負傷する火災が発生しました。学校において、児童生徒等の安全の確保は最優先されるべき不可欠の前提です。
今般の火災の原因等の詳細については、現在、警察及び消防による調査等が進められているところですが、今般の火災を受け、各学校における防火防災に係る安全点検等の実施等について、下記のとおり通知します。改めて、各学校及び学校の設置者においては、消防法及び建築基準法に基づく法定点検等や、学校保健安全法及び同法施行規則に基づく毎学期の定期的な安全点検、臨時及び日常の安全点検を確実に実施いただくとともに、「学校における安全点検要領」等を活用しながら、関係者が連携した効果的・効率的な安全点検体制の確立を図り、学校における事故の防止に努めていただき、避難訓練の実施や「危機管理マニュアル」の点検・改訂等により児童生徒等の安全が確保されるよう、対応の徹底をお願いいたします。また、必要に応じて消防部局又は地域の消防署と連携した対応をお願いいたします。
本件については、国公私立学校を問わず対応いただくことが必要です。
このことについて、各都道府県・指定都市教育委員会にあっては所管の学校並びに域内の市区町村教育委員会に対して、各都道府県私立学校所管部課にあっては所轄の学校法人に対して、各文部科学大臣所轄学校法人担当部課にあっては設置する学校に対して、構造改革特別区域法第12条第1項の認定を受けた各地方公共団体の学校設置会社担当部課にあっては所轄の学校設置会社及び学校に対して、各国立大学法人担当部課にあっては設置する附属学校に対して周知いただくとともに、適切な対応をお願いいたします。
なお、本通知の内容については、総務省消防庁及び国土交通省住宅局とあらかじめ協議済であることを申し添えます。
記
1.施設・設備の点検の徹底について
学校の施設設備の点検については、消防法に基づく法定点検として、消防用設備等の種類に応じ、6か月に1回の機器点検及び1年に1回の総合点検の実施について定められています。消防法令に基づき、この法定点検により把握した不備事項は確実に改修する必要があります。
また、建築基準法において、国、都道府県又は建築主事を置く市町村等が所有又は管理する学校の敷地、構造及び特定建築設備等について、定期的に点検等することが定められています。
加えて、学校保健安全法及び同法施行規則においても、学校に対して児童生徒等が通常使用する施設設備の毎学期1回以上の定期的な安全点検の実施について義務付けており、また、臨時及び日常の安全点検の実施についても定めているところです。
ついては、今後、これらの点検時期を迎える学校においては遺漏なく実施いただくとともに、今年度既に実施済みの学校においても、学校保健安全法及び同法施行規則に基づく臨時の安全点検の実施を御検討いただくようお願いいたします。
また、学校における安全点検の実施にあたっては、文部科学省において、質の高い実効性のある安全点検を実施するための参考となるよう「学校における安全点検要領」(令和6年3月)を示しているほか、「効果的に安全点検を推進するためのノウハウ集」(令和7年3月)を示しているところです。これらの中で、火災への対応として防火用水、消火器、消火栓、防火シャッター、防火用扉などの作動性の確認や、避難器具の点検、適正な避難経路の確保等を含めた安全管理の取組を示しておりますので御参照ください。なお、防火シャッターの点検については、閉鎖作動時の危害防止の観点から、別紙4も参照して適切な対応をお願いします。
2.防火管理の徹底、避難訓練等の実施及び実効性の確保について
学校においては、消防法に基づく消防計画を策定し、防火管理者を中心として、日常的な火気管理、避難管理及び設備の維持管理等の防火管理を適切に行うとともに、火災等の災害発生時における適切な初動対応及び円滑な避難行動を確保するため、消火、通報及び避難の訓練を定期的に実施することが求められています。当該消防計画の内容について改めて確認を行うとともに、必要に応じて見直しを図り、平時からの火災予防を徹底してください。
また、避難訓練等の実施に当たっては、文部科学省が示す「学校の危機管理マニュアル作成の手引」(平成30年2月)及び「学校の『危機管理マニュアル』等の評価・見直しガイドライン」(令和3年6月)の趣旨も踏まえ、実践的な内容とするとともに、避難訓練の機会を活用し、教職員も含めて以下の点を確認・共有することが重要です。
・自動火災報知設備作動時の初動対応方法
・消火器や消火栓等の消火設備及び救助袋等の避難設備の設置場所や使用方法
これにより、緊急時に迅速かつ適切な対応が可能となるよう体制の強化を図っていただくようお願いします。
3.火災事故発生時の対応について
火災事故が発生した場合には、被害の拡大防止のため、迅速かつ適切な対応が求められることから、平時より対応手順を明確にしておく必要があります。
「学校の「危機管理マニュアル」等の評価・見直しガイドライン」では、消防計画のうち、火災発生の初期段階に取るべき対応については、簡潔・具体的なフローの形で整理することなど、いざというときに使えるよう求めております。学校保健安全法第29条第1項に基づき各学校での作成が義務付けられている「危機管理マニュアル」の記載内容を改めて点検し、事故発生時の対応手順が明確に示されているか確認のうえ、必要に応じて改定等を行っていただくようお願いします。
あわせて、学校保健安全法第29条第2項では、校長は、「危機管理マニュアル」の職員に対する周知、訓練の実施その他の危険等発生時において職員が適切に対処するために必要な措置を講じるものとすると定められていることから、「危機管理マニュアル」に即した必要な対応が確実に行われるよう、教職員間で改めて十分な共通認識を図っていただくようお願いします。
このような通知が文部科学省から出ております。
初田防災設備では、消防設備の点検・工事・設計・コンサルティングを一括で対応しています。
救助袋についても、
・現在設置されている救助袋の状態確認
・古い救助袋の交換相談
・点検不備への対応
・避難器具の使用方法確認
・避難器具の点検で指摘されたら?よくある不備・交換・消防署への対応方法
「救助袋が古い気がする」
「昭和時代から設置されているかもしれない」
「点検では問題ないと言われているが、本当に使えるか不安」
「職員や従業員が使い方を知らない」
「避難訓練の内容を見直したい」
このようなお悩みがある場合は、早めにご相談ください。
避難器具とは?避難はしご・緩降機・救助袋の種類と設置基準をわかりやすく解説させて頂きます。
避難器具は、設置して終わりではありません。
いざという時に、正しく使えてこそ意味があります。
大切な生命と財産を守るために、救助袋の点検・訓練・交換時期を今一度確認しましょう。
救助袋について斜降式、垂直式救助袋 設置場所の確認簡易日常点検、使用方法説明。


1951年創業の実績
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